【HUSH DOLL】
『ミニローズの花束の中にお前を眠らせ 触り続けていたい
Kissをし続けてたい Meltin’into you』
ジャッという軽い金属同士の摩擦音と共に、宵闇の中に浮かび上がる小さな灯火。
使い慣れたジッポーで咥えたそれに火を灯し、窓辺から差し込むほの暗い月明かりだけを頼りに目当ての物を探す。
厳しい訓練の賜物で、頼りない明かりだけでも充分周りは見て取れたし、何より勝手知ったる狭い自室の中の事、そう大して時間も掛けずに目に付いたそれを腕を伸ばして取り上げた。
「…っと!」
ベッド脇の机の上にあったそれだけを手にするつもりが、夕飯後に飲み干したまま放っておいた空き缶をついでに引っ掛けてしまい、フローリングの床に乾いた音がやけに響いてしまう。
カランカラン…
咄嗟にまだ背後で眠る人物の様子を伺うが、毛布の中にすっぽりと納まってしまっている身体は身動ぎもせず、何故か分らぬがほっと静かな吐息がこぼれた。
咥えた煙草と手にした灰皿は放さぬまま、床に落ちた缶を拾い上げると、今度は目にしたそれに喉の渇きを思い出させられて、音もなく腰掛けていたベッドを抜けてキッチンへと足を向ける。
暗がりの中でも迷わず進む歩先には、自室の間取りと散らかり具合が間違いなくインプットされているお陰だが、冷蔵庫から冷えた缶を取り出してふと振り向いた先に見えた部屋の惨状には、さすがに何とも気まずい心地にさせられた。
「せっかく大将来てくれたっつーのに、この有様は酷えよなー…」
部屋に1つしかないベッドの半分を占めて寝ているだろう想い人の、夕方ここに顔を見せた時の最初の表情の苦さを思い出してしまった。
若い男の1人暮らしともなれば、部屋の惨状はどこも大差ないと思うのだが、ここ最近の多忙さにかまけてゴミ出しすら怠っていた状況はさすがに、同性とはいえ恋人を迎えるには余りに相応しくなかろうとの判別くらいはつく。
けれどその恋人はといえば、普段は国のどこにいるかも皆目知れぬ果ての見えない道行きを繰り返す根っからの旅暮らしのため、こうして顔を合わすのも久方ぶりという現状では、部屋の散らかり具合など気にする余裕もなく、ただ逢えた現実に10代の少年時を彷彿させる嬉しさについ舞い上がってしまうのだ。
「ハズ……俺ぁチェリーか、っての」
沸いた思考に缶の中身を半分ほど一気に喉に流し込み、立て続けに煙を吐き出しては汗ばんだ首元を手慰みにかいてみた。
そんな呑気な状況であっても、鍛えられた軍人である青年の耳が拾った音には、思考より先にまず身体が反応してしまう。
冷蔵庫に向き合って立つ青年の背後に、あと数歩の距離まで気付かれずに近付ける人間はそう多くない。ごく小さな足音に瞬時に振り返った青年の視界の先に立つ小柄な身体の持ち主は、それが出来る数少ない人間の1人だった。
「大将、いつ起きたんだ?」
「さっき…缶の落ちる音で目が覚めた」
毛布の中の身体はぴくりともしなかったのを確かめたはずだったのに、野生の獣並みに音や気配に敏感な少年の、普段の生活ぶりが目に浮かぶようで、振り返った背高の青年は明るい空色の瞳を細めて苦笑する。
「大将何か着てくれよ、目に毒だ」
「俺も喉が渇いた」
互いの要求だけがさり気なく交差して、一瞬降った沈黙の間に、小柄な少年の動きの方が早かった。
「あ!コラっ!」
青年が手にしていた缶を奪って素早く中身を乾すと、空になったそれを右の拳で難なく潰し、呆気にとられた青年の前に差し出す。
「ごち」
「お前…いつ覚えた酒なんか?」
「ついこないだ。きちんと16になってからだぜ?」
この国では、ビールのような低アルコール類ならば16歳からの飲酒が認められていたが、どうにも目の前の清々しい覇気を持つ普段の少年の雰囲気と合致せず、今見た光景に軽いショックを覚えたのは事実だ。
「似合わん……」
「んじゃもっと似合わない事してやろーか?」
云い様今度は青年の口に納まっていたそれを、生身の左手が掬うように取り上げて、湿った紅唇に咥えてうそぶく。
「ビールの味は嫌いじゃないけど、これの味だけはやっぱ何がいいのかよく分んねぇ」
そういう割りには慣れた仕草で器用に煙を吐き出す少年の指先から、落ちそうになる灰を気にしながらも強引にそれを取り上げると、最後の1差しを吸いきって灰皿に押し潰した。
「全くもって、似合わん」
「俺だってそんくらい知ってる」
どちらが年下だか分らぬような拗ねた表情をこぼす青年を見上げる、暁色の双眸は楽しげに瞬いていて、それも何だか気に食わないと青年は思うのだ。
「こんなん吸ってると、いつまで経っても伸びねーぞ」
本来なら最大の禁句である台詞を口にする青年の顔を見つめる金瞳は、怒りより冷めた色合いを濃くして逆に問いを返してくる。
「じゃあそういう少尉はいつから吸ってた?」
「俺は……14くらいから…か」
立派に違法であるのを承知している後ろめたさに、小声でどもる青年の告解も気にせず、アルトの声音は更に続きを問うてきた。
「で、少尉が背が伸び始めたのはいつ頃から?」
「んー……多分15くらいからじゃ……」
少年が何が云いたいかをそれで悟った青年がはっと口を噤む中、闇夜でも眩さを失わぬ煌めく金色が、意地の悪い光をまとわせて告げる。
「煙草を吸うと背が伸びない、ってのは何の科学的根拠もない訳だ。いわば迷信みたいなそんな話、俺に通用するか?」
年若であっても、中身は国の最難関試験を突破して国家資格を得た、科学と真理の申し子とも呼ばれる錬金術師の少年に、そんなあやふやな話など所詮押し通せるはずがないのだ。
「……まぁ俺も人に注意できる過去じゃねーからな、吸うなとは云わんが」
まだ紫煙の香りの残る紅唇に鼻を寄せて、触れるほど近くで言葉を継ぐ青年の顔を、金瞳が黙って見つめる。
「どこで覚えてきたんだよ?俺の知らない所で」
煙の匂いと微かな苦味をぺろりと掬った舌先に感じて、青年はちょっと不満を表した。
濡れた紅唇は、さっきまで蕩けるほどの甘さを寄越してくれたのにと言いたげな青瞳が瞬くのを、小さく吹く仕草でこらえる。
「ヤキモチ、っぽい」
「ぽい、じゃなくて、妬けるんだよ実際」
見かけによらず、数々の修羅場を潜り抜けてきているのは本人の口からも聞いているし、口さえ開かなければ、かなり見栄えのいい容姿は東方司令部司令官のお墨付きな彼の事。
おそらく大衆食堂を兼ねた居酒屋のような、余り治安のよろしくない場所で覚えてきたのだろう事は察しが付くし、イカガワシイ目的で声をかけてくる奴らも少なくないはずだ。
無垢な存在を1から自分好みに仕立て上げる、といった性癖は持ち合わせていないが、小さな悪事を共有するようなちょっとした秘め事じみた真似を教えられなかった不満は、年下の恋人を持つ身としては当然の楽しみを奪われたようで面白くない。
それを彼に始めに教えた人間、彼に勧めた人間、彼を誘った人間、その全てを対象にして青年の微かな苛立ちが向けられる。
でもそれすら予測済みなのだというように、微笑を浮かべた金瞳を逸らさぬまま、前屈みになった青年の首元にするりと左腕を巻き付け細い肢体を摺り寄せた。
「ふれあい、って云うんだってさ」
「は?」
闇の中で一糸まとわず輝く白い裸体に、鎮まっていたはずの昂ぶりが目を醒ます。
先程全てを吐き出したと思っていた精は、呆気なく体内の奥でまだその存在を主張するように、身体の中心を熱くさせるのだった。
「煙草の花言葉。煙草を吸ってる時に思い出す相手に、ふれたい、って思うとこからきてるんだって」
「なるほど」
うっかり納得する場面ではないのだが、余りに説得力のある台詞に思わず素直に頷いてしまった青年の耳元に、寄せた紅唇が更なる声音を紡ぐ。
「そう云って煙草差し出した奴が持ってたのが、少尉のと同じ銘柄のヤツだったんだ。んで試しに1本吸ってみたら、なるほどって、俺も思ったよ」
ふれたい、触りたい、キスをしたい、抱きしめて、抱きしめたい。
匂いと記憶は強烈に結びつくと云われる所以を、その身で実感したようなものだ。
嗅ぎ慣れた紫煙に頬を撫でられ、唇を暖められ、身を包まれた時に浮かんだビジョンは、限りなく広がる大空の色彩だった。
今自分の視界一杯に映るこの明るく澄んだ、果てない青、その瞳の持ち主の存在を。
「昔の人間の云う事には、やっぱり一理あるんだなー、って」
思わせてくれたあの経験は、苦味が勝った味わいと引き換えてでも、立派な等分の代価になった。
「…………………………それは嬉しいんだけどな。大将、それはナンパされたって、事じゃねーのか?」
持ち上げて落とされたような何とも複雑な少年の回想録に、黙って耳を預けていた青年から低い声が湧き出る。
「折角いいこと云ったんだからもっと他にねーのかよ?大丈夫、そーゆーのには丁重にお断り入れてるから。……………拳で」
実力行使も辞さなかったという状況が容易に想像できて、屈んだ姿勢のまま脱力した身体を細い肩先に預けて溜息をこぼす青年に、不満げなアルトが重なった。
「身を守っただけだぜ?ヤられる前に殺っただけ」
「殺っちゃマズイだろ……いやヤられるよりかは……………って違う!俺が云いたいのはっ!」
突然耳を震わす大声に咄嗟に引きかけた腰を掴まれ、その腕の中にきつく抱き寄せられて上げた金の視界に青い色彩が凌駕する。
朦朧と霞む意識と熱い奔流のせめぎ合いの中、闇に勝るこの青と、身体にまとった紫煙の残り香が、途切れがちな記憶にいつも現実の想いを植えつけていた。
触れたくて手を伸ばし、抱きしめられて熱を別ち、快楽を引き摺り出されて必死にしがみ付いた広い背中に、汗ばんだ肌の温もりとこの香りがいつも共にそこにあるのを知っている。
だからきっと、彼の怒りは見当違いに終わるのだ。
「俺が、ふれたいって思うのは、少尉だけだぜ?」
「たい…っ!」
首元に残した腕に力を入れて、手繰り寄せた後頭部を押さえて重ねた口吻けは、苦味と甘さを同時に分け与えて何度も繰り返された。
「……っ……ふ……ぁ…っ」
食むように口唇を啄ばんで、青年の舌先に己のそれを絡めて強請るように先を促せば、顎を持ち上げられて更に深い吐息が返される。
細腰を抱く腕が下へと伸び、まだ余韻を残す秘雷へと指先が辿っても、少年の肢体は逃げを打つでもなく、喉をくすぐる甘さを含んだアルトを響かせるだけ。
「んっ………アッ!………ぁっ……くっ…!」
「まだやーらかい、このまま入れていいか?」
「このまま…って…」
「お前が誘ったんだから、責任取れよ」
触れ合う下半身に感じる青年の熱さに、細まった金瞳が否やの色を灯していないのを見止め、抱いた肢体を反転させて冷蔵庫のドアに向けさせた。
「正面からだと厳しいから、こっちでな。しがみついてろよ?」
「あっ!ちょ……こん…っ…ああぁっ!!」
冷やりと頬に触れた鉄製の扉の硬質な感触と、下肢を直撃する熱い楔の余りの温度差に、一瞬にして滾った脳裏に白い閃光が過ぎった。
「いき…なりっ……奥……激し……って!」
「そうか?イイ具合だけどな。大将があんまり可愛い事ばっか云うから、一気に熱くなっちまった」
何度も突かれて青年の精を受け止めたそこは、まだ無理な挿入にも耐えうる潤いを保っていて、事の始めよりもいともスムーズに最奥までの侵入を許してしまう。けれど腰を抱かれ片足が上がるほどに不安定な姿勢で、下から容赦なく突き上げられる行為に、自然と締まってしまう狭道が与えてくれる電流のような快感に、青年の口元にも愉悦の笑みが浮かんだ。
「すっげー締まり具合……たまんねーな…」
「あぁっ!は…っ……ンッ!!…」
突かれるごとに太さを増してゆくような圧迫感は、内壁を抉られるような激しい動きに合わせて律動を始める、狭道の奥で湧き起こった全身を震わせるような快楽の渦に、巻き込まれて理性の束がずたずたにされる。
腰を抱く腕に更なる力が加わるのに、淫靡な水音と掠れたアルトの嬌声がリンクして、夜の室内に響いていった。
暗闇の中でも衰えぬ輝きを持つ金糸が、白い背中の上で打ち震える感触を頬に受け、熱く漏れ出た呼気がその耳元で何度も名を呼び募る。それが熱さの源だとでもいうように。
「エド……エド…っ…」
「んん―――っ!!…はぁっ……ひ…ゃっ…!あっ!…あぁっ…っ…」
高く啼くアルトが自分が揺らすリズムに合わせてこぼされ、体内に燻ぶる熱い衝動を吐き出したいと、望むかのごとく反らされた首筋が、金色の隙間から垣間見える仕草がやけに官能的で、何度抱いても毎回感じる溺れるような酩酊感は、酒に酔う感覚によく似ていると、青年は思った。
けれど酒よりももっと強い常習性は、数ある嗜好品の中でもどちらかといえばドラッグにより近い背徳性と、中毒性を持っている。
「ヤり過ぎて、廃人になったらシャレになんねーな」
「……バカッ!…な……にいっ……て!!」
「病み付きになってるからな…気持ちヨすぎて、さ…」
ドクンと中で膨れた灼熱の楔に、たまらず背中を仰け反らせて、少年の喉から感極まったような喘ぎがほとばしって天井に跳ね返って降ってきた。
「も……っ!やっ……しょう…い…しょ……んん――っ!…」
熟れた果実を扱うように、優しく触れた少年の中心も爆ぜるほどの熱さを有していて、躊躇わず一気に高みへと向かうため、絡めた指先をスライドさせて打ち付ける腰の動きを早めていく。
「ダ…メだっ!!も……くっ!…イ……っ…」
「イくぜ?俺も…」
ギシリと音が鳴るほど強くドアノブを握り締めた左の手に、己の手のひらを重ねて最後の時を迎えるべく2人の呼吸が荒く激しく、声もなく影が深く1つに重なった。
「……―――――っ……!…」
「…………ふっ………!」
鼓動と同じリズムで押し出される熱の奔流を身体の奥底で感じながら、振り返った金瞳に映った青瞳は、まだ足りないとでも云いたげな雄の激しさに満ちた光をまとって、口元に笑みを浮かべる。
その激しさに文字通り心も身体も揺さぶられながら、それでもこれが浅ましい自分の望みなのだと知る少年は、艶めいた紅唇を薄っすらと上げて、不敵な輝きを振りまくのだった。
それが青年の心にとめどなく膨れる情欲と妬心と、温もりの全てを煽ると知っていたから。
「妬いたんだ?少尉」
「………当然だろ?俺だってふれたいと思うのはお前だけだ」
包み込むように重ねた手のひらを握り込んで、背後から汗ばんだ肢体を抱きしめれば、汗の香りと共に普段嗅ぎ慣れている匂いが鼻をくすぐった。
それに眉を顰めて、悲嘆にくれる溜息をこぼせば、何事かと金色が瞠目するのが妙に可愛い。
「俺も今度から、煙草吸うたびにお前を思い出しちまいそう…」
「思い出すだけじゃダメなんだぜ?」
「ふれたくても、お前はどこの空の下だか分んねーじゃねぇか」
嘆きを吐き出す声音に笑みを送り、残酷なまでに愛しい少年は胸板に金糸を寄せて、包み込まれた左手に青年の指先を絡めながら、その甲に優しい口吻けを落とした。
「んじゃあさ、俺思い出しながら、1人で慰める?」
「嬉しそうに云うなコラ。犯すぞ?」
「犯しといて何を今更……」
「俺はまだまだイけるもんで」
「げ!俺はもたねーよ!」
「大将が気持ちヨすぎんのがいけねーんだ」
「駄々っ子かあんた」
「大体どーせなら煙草なんかより俺のを咥え…」
「殺るぞ?」
極上の笑顔に寒気を感じただけではないが、身の危険を覚えた青年が自省を込めて溜息を逃がす。
「命に危険を及ぼします。取扱いとヤり過ぎにはくれぐれも注意が必要です」
「何ソレ?」
「大将のパッケージにはこんな1文が載ってそうじゃねー?」
「バーカ」
絡めた指先を握り締め、猫の瞳のように細まった金色の瞳に映える青に安堵して、傾けた頭が追った先の紅唇にキスを1つ。
「煙草臭い」
「それは俺の台詞」
「俺が云う日が来るとはね。くれぐれも、俺の以外の煙草は止めてくれよ?」
「心臓に悪い?」
「あぁ、もう充分に健康を損なう自信があるぜ」
ふれあいながら続けられる言葉遊びはとめどなく続き、まだ夜の更けた室内にこもる熱気は途絶えそうにない。
床に直に腰を下ろして、1つの炎を2本で分かち合って、ふれた背中で温もりを分け与えた。
立ち昇った紫煙は闇の中に蜻蛉のような灰色の霞を漂わせて、2人の周囲を想いと共に揺らいで香りだけを肌に残して消え去る。
消えぬ負の想いは灰と一緒に風に飛ばして、香りに染み付いた優しい記憶だけを貴方に遺せればいいと、願ったのはどちらの想いであったのか、知る術はなくただ心の奥を焦がして去ったある夜の出来事。
『ミニローズの花束抱いて……Hush,Hush,Hush,Baby』
2006/08/09 脱稿
Sawada Yukari Presents.
*日本の法律では、20歳未満の喫煙及び飲酒は認められていませんので、ご注意下さいませ。
8/9はハボの日だと聞いて、どうしてもこの日に上げたかったのにっ(汗;;;;;;
間に合いそうもありませんが、意地でUPします…orz
とある本には、8/9の誕生花が煙草の花だと書いてあったもんで(笑)
どうしても煙草ネタが書きたくなって、突発に執筆開始(滝汗;;;;;;;
なので途中話の流れが可笑しいところは笑ってやって下さい……(凹)
花言葉は『ふれあい』。いいネタ頂きましたvv(それをきちんと作中に生かせてない体たらくはお許し下さいませ…orz
少しでも楽しんでもらえれば本望ですvvv |

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